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或る事件

 私が大型自動二輪の免許を取得したのは、2001年の夏のこと。 
 既にアメリカからの圧力により?大型自動二輪免許は、いわゆる「実地一発試験」だけではなくて
教習所に通って取得出来るようになっていたのですが、この頃から急に教習所同士が競うように
大型自動二輪の教習料金を引き下げ、都内でも安い所なら10万円以下で取得出来るようになりました。
 当時、中型自動二輪の免許を持っていた私は「YAMAHA TW200」に乗っていたのですが、
パワー不足にやや不満を感じており、いずれもう少し大きいバイクに乗りたいと思っていたので、
「丁度良い機会だから、先に免許だけでも取ってしまおう」と思い、5月から教習所に通い始めました。
 (パワー不足さえ除けば、TW200には何の不満も無かったんですけどね・・・。)
 
 2ヶ月で取得出来ると思ったのですが、仕事の関係で教習所に通う時間が思うように確保できない
時もあり、結局約3ヶ月掛かって取得しました。
 この年の初めにTW200の保険を2年間更新していたので、「とりあえず保険が切れるまではTW200に
乗って、それから大型のバイクに乗り換えよう」
 この時は確かにそう思っていました。
 
 明けて2002年。
 バイクを買い換える前に車を買おうと思っていた私は、親父の名義で約7年間乗っていた3ドアの
「TOYOTA RAV4」から「HONDA MOBILIO」に換え、2月2日に無事納車されました。
 
 そして、2月25日の深夜・・・正確には26日の早朝と言うべきでしょうか。
 家中が寝静まっている時に、斜向かいの家に住んでいる伯母が突然私の家に飛び込んできて大声で
叫びました。
 

『火事だっ!』

 
 私も家族も一瞬何が起こったのか分からなかったのですが、慌てて外に出ると既にTW200は
全体が真っ赤に燃え、今にも車に燃え移りそうな勢いでした。
 結局、消防車が到着するまで何も出来ず、ただただ買ったばかりの車が燃えるのを見守るしか
ありませんでした・・・・・。
 消防車が到着するのにちょっと時間が掛かりました。後で分かったのですが連続放火で近所で
うちも含め同時に3件のボヤがあり、消防署の方でも少し混乱していたみたいです。

  

020227_03.jpg - 43,673Bytes

この写真は翌日撮影しました。伯母の家を背にしています。

この写真の真正面、スクーターが置いてあるアパートの隣が私の家です。

  
 「HONDA MOBILIO」の走行距離は約700Km。2月15日〜17日まで、2泊3日で家族4人で
草津温泉に行ったのが唯一の遠出でした。(この時だけで往復約500Km程走っていたと思います。)
 「YAMAHA TW200」の走行距離は5年間で約30,000Km。殆ど街乗りでしたが、北海道に
2度行きました。
 
 バイクは自賠責だけだったので保険もおりず(もっとも、バイクの場合の車体保険って新車の最初の
1年だけみたいですけど)、車も登録料や重量税等の諸費用(約25万円)は丸損でしたが、幸いにも
自動車保険を切り替えていたお陰で何とか車体価格分だけは満額で保険がおりたので、せめて車だけでも
同じ物をもう一度手に入れようと思い、ディーラーさんにも頼んでいました。
 伯母の家の庭だった駐車場も住宅保険が利いたので、金銭的にも殆ど何の問題も無く、元の状態に戻れる
ということで、駐車場の工事も始まりました。
 
 が、しかし・・・
 工事が始まって1週間程経った、ある平日の昼間、会社にいた私の携帯に母から電話が掛かってきました。
 

「車が置けなくなるよ」「えっ?どうして?」「帰ってから伯母さんに話を聞いてみて」

 
 夕方、慌てて家に帰った私は、そのまま伯母の家に行き、話を聞きました。曰く、
 

「怖くて眠れない・・・車を置かないで欲しい・・・」

 
 私も「初めて自分で買った車をもう一度手に入れられる」と思って喜んでいた矢先だったので諦めきれず、
説得しましたが、実際に自分が現場を目の当たりにして、怖い気持ちも良く分かっていたので、諦めました。
 (駐車場を借りようかとも思いましたが、家の近所の駐車場の相場は¥30,000以上しますからねぇ。)

  

030119_01.jpg - 40,724Bytes

あれから約1年経ちました。1枚目の写真とほぼ同じ位置から撮影しています。

塀が出来て車は入れません。地面の焼け跡が、まだはっきりと残っています。

 

 事件から1ヶ月程で犯人は捕まったらしいです。

 「らしい」というのは、母が伯母から「新聞に載っていた」という話を聞いたからです。
 警察からは何の連絡もありません。
 おそらく、犯人が誰かわかってしまうと、復讐しようと考える人もいるのではないか?という配慮から
だと思いますが、せめて「犯人が捕まったかどうか」ぐらいは知らせて欲しいものです。
 
 犯人を許す気にはなれませんが、今はもう特別に強い恨みとかはありません。
 ただ、この事件のことは忘れようと思っても忘れられるものではありません。

 たとえ薄れていくことはあっても、これから先もずっと心の奥底に残っていくでしょう。。。

 

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